それは昔、子供の頃、
スライドダンパーのギミックのメカメカしい感じに魅力を感じて、マシンが速くなることを信じ装着していたものである。
スライドダンパーを装着しても、目に見えて速くなることは無く、むしろ遅くなるという認識が広まり、スライドダンパーは廃れていたパーツであった。
しかし、ミニ四駆コースの立体化、デジタルカーブ等の衝撃があるコース壁の登場、によって、スライドダンパーは勢いを取り戻した。
コースアウト率の減少に役立つ効果は大きく、
上級者は大会を勝ち進めることを見越して、何回もの試合によるマシンへのダメージを極力減らすことも考慮して装着しているそうだ。
さて、今回ご紹介するのは、スライドダンパーではなく、
スライドシャーシである。
シャーシがスライドする?とはどういうことなのか?
スライドダンパーの場合は、マシンがコーナーに突入すると、コーナーに接触した衝撃をダンパーがスライドして緩和する。
スライドシャーシの場合は、シャーシがスライドして緩和するのであろうか?
スライドシャーシの構造を簡単に説明しよう。
72mmシャフトを用い、シャーシとホイールの間にスプリングを設けた構造である。
これにより、ホイールは左右に動くことができるようになる。
yutakaさんのブログ「TOOLBOXーLIFELOG」に、作り方の説明が分かりやすく記載してあるので紹介します。
また、アプリのconcours d'Eleganceにもスライドシャーシを採用したマシンがあるので紹介します。
実際に作って走らせたわけではないので、妄想の域を出ないが、スライドシャーシの効果・メリット・デメリットを考えた。
まずは、スライドダンパーのように、ダンパーが不要なので、マシンの総重量を軽くできる点がメリットと思う。
スライドシャーシとして特に期待したい効果は、スライドダンパーのような、コーナー突入時の衝撃を緩和する効果であるが、そのような効果はないのではと私は思う。
スライドダンパーの場合、マシンの総重量とコーナーの間をスライドダンパーがスプリングとダンパーグリスで緩和する。
一方、スライドシャーシの場合は、マシンとシャーシとフロントバンパーはガッチリ組まれており、コーナー突入時の衝撃は、フロントバンパーから全て受けることになる。
スライドシャーシでは、リジッド(スライドダンパーやピボットダンパーを使用しないセッティング)と同じように、切れの良いコーナーリングが期待できそうである。
緩和の効果が無いのではと考えると、他にどんな効果があるだろうか?
シャーシとホイールの間のスプリングの効果を考えてみる。
コーナー突入時、シャーシはクイックに進行方向をコーナー壁によって強制的に変えさせられる。
一方で、ホイールは左右に動くことができるので、突入の最初は直進を保とうとするはず。グリップの強いタイヤであるほど直進を保とうとするだろう。
シャーシから受ける力がスプリングを通して、遅れてホイールに伝わるだろう。
少し遅れて左右のホイールが、シャーシの中心軸から左右均等の距離となるように戻っていく。
これにより、僅かにリジッドに比べ、スライドシャーシのほうが、タイヤの直線の走行距離を長くする効果があるのではなかろうか。
先ほどは緩和の効果はないと思ったが、この少し遅れてホイールが定位置に戻ろうとするところで、衝撃の緩和の効果があるのかもしれない。
スライドシャーシは、長いシャフトを使用する必要があり、ワイドトレッドになる。ワイドトレッドにしたくない場合はデメリットである。
また、シャフトが左右にスライドするため、シャフトに装着するギアの
穴が磨耗しやすいとのこと。ギアの位置出しも効果が薄れる点がデメリットである。
とは言え、ホイールシャフトにスプリングを仕込むという手法が、とても驚きを感じた改造方法であった。試してみたいとても興味深い改造方法である。
スプリングの硬さによっても、走りに違いが現れそうである。
改造紹介の次の記事はこちら
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