公式大会では、タイヤの軸がへの字に曲がったり、シャーシが真っ二つになったりと、高確率で痛々しい結果となるのだが、2019スプリング北海道大会では高い安定性でほぼ無事で完走してくれた。
しかし、今大会で得られたことは、速度不足という課題であった。考えられる課題を一つずつ対処していこうと思う。
今回の記事では、タイヤ(ホイールの部分では無く、ゴムまたはスポンジの部分)について、転がり抵抗をテーマに考えたことを記録したいと思う。
転がり抵抗とは何か?
Wikipediaで調べたところ、以下のように記載されていた。
「ボールやタイヤなどの球や円盤、円筒状の物が転がるときに、進行方向と逆向きに生じる抵抗力。」
転がる物体と転がるところが、変形と復元を繰り返すことで接触面に摩擦が生じ、運動エネルギーが散るということらしい。
自動車では、転がり抵抗が燃費に大きく影響しており、エコタイヤは転がり抵抗を抑えたゴム質を使用しているらしい。
身近に感じる転がり抵抗を挙げるとすれば、自転車の走行で体感できる。
自転車で空気圧の低いタイヤで走行すると、タイヤの変形が大きく、スピードが乗らない。
空気入れで空気圧を高くしてあげると、タイヤの変形が小さくなり、スイスイと見違えるように進む経験をされた方は多いと思う。
ミニ四駆における転がり抵抗
ミニ四駆に当てはめると、転がる物体=タイヤ、転がるところ=コース、ということになる。
コースはほぼ変形しないと考えてよいと思うので、タイヤの変形と復元がミニ四駆における転がり抵抗の源といって良いだろう。
(スプリング大会では、サクラロードがおそらくやや柔らかい路面であり、転がり抵抗が生じる路面であったと思われる。実走した感じではあまり影響を感じなかったが、今後はもっと変形する路面が出てくるかもしれない。)
タイヤの変形と復元が大きいほど、転がり抵抗係数が高く、運動エネルギーのロスが大きく、スピードが出ないということになる。
ミニ四駆では、シリコンタイヤやノーマルタイヤ、そしてスポンジタイヤは柔らかく変形しやすいので、転がり抵抗係数は高いと考えられる。
逆に、ローフリクションタイヤやスーパーハードタイヤは硬く変形しにくいので、転がり抵抗係数は低いと考えられる。
私がスプリング大会で装着したのは、低反発スポンジタイヤをペラタイヤに加工したものであり、マシンの車重で既に走っていない状態でも沈み込み変形が目に見えた。
今大会のスピード不足の一因として、低反発スポンジペラタイヤの転がり抵抗が大きかったことが原因と考えられる。
転がり抵抗の小さいものを選択するという視点でタイヤを選ぶとすれば、ハードタイヤ、スーパーハードタイヤ、ローフリクションタイヤが候補となるだろう。
転がり抵抗=転がり抵抗係数×荷重
転がり抵抗は上記の式で求められる。
ここから考えられることは、マシンの車量が重いほど、転がり抵抗が増加するということである。
転がり抵抗を小さくする視点でマシンの車重を考えるとすれば、より軽いほうが良いということになる。
また、Wikipediaには、全転がり抵抗の半分以上をトレッドの厚さが占め、トレッドが厚いほど転がり抵抗が高くなるとある。
ここでいうトレッドとは、ミニ四駆でよく使う左右のタイヤ間の距離のことではなく、タイヤの構造のうち地面と接触する部分のことであるのでご注意。
つまり、変形する部分の厚みが厚いほど転がり抵抗が高くなるということ。
ミニ四駆で考えると、変形する部分の厚みを薄くしたペラタイヤが、転がり抵抗が小さいタイヤということになる。
まとめると、転がり抵抗を小さくして、運動エネルギーのロスを少なくし、スピードを上げるには以下のタイヤが適しているという結論となった。
タイヤの選択は、より変形しにくい硬いタイヤの、ローフリクション、スーパーハード
タイヤの加工は、変形部分の厚みがなるべく薄い、ペラタイヤ
また、転がり抵抗を小さくするためには、マシンの車重を軽くすることが有効である。
あくまで、転がり抵抗からスピードの向上を考えた結論であるので、一つの参考知識として今後のタイヤの選択に活用したいと思う。
低反発スポンジペラタイヤとハードハーフペラタイヤの比較
同じ厚み、同じ幅で検証すべきであったが、それぞれ異なっており、あまり意味の無い実験かもしれないが、一応記録したいと思う。
ペラタイヤ加工した低反発スポンジタイヤと、ハーフペラ加工したハードタイヤをそれぞれ同じマシンに履かせて、最高速度をミニ四駆スピードチェッカーで計測した。
低反発スポンジペラタイヤ
タイヤ径 24.1mm
最高速度 19km/h
ハードハーフペラタイヤ
タイヤ径 23.4mm
最高速度 20km/h
ハードハーフペラタイヤのほうが径が僅かに小さいにも関わらず、1km/hの差が出た。
4輪接地状態で計測できておらず、後輪のみ接地させての計測であったので、4輪で走る状態では、より転がり抵抗の影響が出るかもしれない。
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