果たして、アルミホイールを履かせたマシンは速いのか遅いのか?
ネット上で調べてみても、速い・遅いの両方の意見があり、非常に興味深い。
大会上位入賞者の多くはアルミホイールを使用しておらず、そのため、なんとなく使わないほうが良いのだろうなぁといった印象を持たれている方が多いのではないだろうか?
今回は、アルミホイールのメリット・デメリットについて考えたことを2回に分けて記録したいと思う。
アルミホイールの硬さから考える
金属であるアルミは、カーボン配合のホイールよりも硬い。
ノーマスダンの権威であるユーロ氏が公開された跳ね上がりの原理では、ホイールのゆがみが跳ね上がりの1つの原因として挙げられている。
アルミホイールはほとんど変形することがないため、ホイールのゆがみによる跳ね上がりの力が発生しないメリットがあり、跳ねにくい。
逆に言えば、ホイールによって緩和される衝撃がダイレクトに、シャフト、及び、シャーシに伝わるため、ヒクオやフレキ等で衝撃を吸収しないとマシンへのダメージが大きいと考えられる点がデメリットである。
また、アルミホイールは開封した状態で既に真円度が小さく(誤差が小さい)、変形しにくいため、走行による変形の心配が少ない点がメリットである。
カーボン配合ホイール等では、真円度を小さくするために、タイヤを履かせる前にヤスリで削る方も居られる。
アルミホイールでは加工の必要が無いので、初心者に優しいと言えるだろう。
加工の観点から考えると、ホイール自体の幅を細くする蓋取り加工が難しい点や、ホイールのリブを削る加工が難しいといったデメリットがある。
アルミホイールの重さから考える
アルミホイールは非常に重い。
プラスチックのホイールに比べ3倍くらいの重さがある。
この重さという観点から、よく挙げられる代表的なメリットとして、マシンの低重心化に効果があると謳われている。
ホイールは最も低いところにあるパーツであるので、重いアルミホイールを使用することで、低重心化が図れるというわけである。
ホイール自体の重心はホイールの中心にある。より重いホイールを装着すると、前後のホイールの中心を結んだ線上にマシンの重心が寄ることになる。
手持ちのARシャーシとMSシャーシで確認したところ。ホイールの中心は、最も重いパーツの電池の中心と同じ高さ(ARシャーシ)か、または、少し高い(電池落とししたMSシャーシ)状態であった。
さらには、前後のバンパーをホイールの中心よりも低い位置に装着している場合もあることを考えると、よほど元の重心が高い位置にあるマシンで無い限り、低重心化の恩恵は少なそうである。
低重心化以外に重さの影響として考えられることは、マシンの総重量の増加である。
マシンが重くなると、スタート直後やブレーキ後の加速が遅くなる。また、坂を上る際の減速も大きくなる。
アルミホイールを装備するとマスダン8g分くらいの重量増加が見込まれるので、重量を軽くすることを至高とするならば、アルミホイールという選択は無くなるだろう。
今年のジャパンカップでは、キッカーフラップというセクションがあり、マシンが軽いほどジャンプ飛距離が伸びてコースアウトの危険性が増す。
ある程度の重量が必要かもしれないので、いつもは軽さ重視の方でも、アルミホイールの選択を視野に入れて良いのでは?
後編に続く
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