ミニ四駆を復帰した頃に、カーブを素早く走り抜けるのに理想的なタイヤのセッティングとは何であるか考察した。
その際に、カーブを走る際に生じる、内側のタイヤと外側のタイヤの回転差による抵抗を減少させるにはどうしたら良いかを考えた。
今回はその時に考えたことを記録したいと思う。
カーブでは、内側のタイヤよりも外側のタイヤのほうが走る距離が長くなるため、カーブの始点から終点まで走り抜けるために必要な回転数が内と外で異なる。外のほうが多くの回転を要する。
ミニ四駆の場合、自動車と異なり、内と外のタイヤは1本のシャフトで連結されているため、内と外で異なる回転数で回転することはできない。モーターが1回転すると内と外は同じ回数回ることになる。
そのため、内のタイヤが完全にグリップしている場合は、外のタイヤは内と同じ回転数のため、内よりも回転数が不足する分スリップする必要がある。
逆に外のタイヤが完全にグリップしている場合は、内のタイヤは外よりも回転数が過剰な分スリップする必要がある。
内と外で走行距離が異なるため、どちらも完全にグリップすることは不可能である。
スリップする=摩擦によってエネルギーがロスされるということ。
タイヤのグリップ力が高いほど、スムーズなスリップができず抵抗が生まれ、より進むためのエネルギーを失う。
これを解消するために、以下の方法を考えた。
- グリップの低いタイヤを使用する
- ワンウェイホイールを使用する
- インリフト、アウトリフトさせる
1.グリップの低いタイヤを使用する
これは、スーパーハードタイヤやローフリクションタイヤなどの、タイヤのグリップ力が低いものを使用することで、スリップによる抵抗を減らす方法である。
内と外の回転差で生まれるスリップをスムーズに行うことで、抵抗の影響を小さくするアプローチである。
想像では内と外のどちらがスリップするのかは分からなかった。両方がスリップするのではと思われる。
2.ワンウェイホイールを使用する
ワンウェイホイールとは、内と外の回転差をホイールに内臓されたギアによって、回転数が不足しているタイヤを空回りさせることで、スリップさせない仕組みである。
逆に言えば、タイヤとシャフトの間でスリップさせるとも言える。しかし、タイヤと地面との間でのスリップと異なり、ギアによる空回りなので、抵抗はかなり低くすることができる。
空回りするタイヤは、回転数が不足する外側のタイヤであると推測される。これにより、擬似的に内側のタイヤでカーブの最短距離を走行するのと同じ状態となると推測される。
この点が、浪漫パーツと言われるワンウェイホイールの隠されたポテンシャルの高さである。
高い精度で熟練されたワンウェイホイール使いの方のマシンは、カーブで恐るべき速度を発揮すると噂に聞く。
3.インリフト、アウトリフトさせる
ローラーセッティングにより、カーブに入った際に、マシンが傾いて走行するようにする方法。片側のタイヤのみ接地して走るため、内と外の回転差は無くなる。
例えるなら、カーブでのみバイクとなるようなイメージ。
インリフトでは、内のタイヤが浮いて、外のタイヤのみ接地して走る。走行距離は外のほうが長いため、アウトリフトよりも遅くなると推測される。
アウトリフトでは、外のタイヤが浮いて、内のタイヤのみ接地して走る。走行距離は最短となるため、速くなると推測される。
復帰した頃、私はこのうちの2のワンウェイホイールを選択した。
理由は、ワンウェイホイールに浪漫を感じたからというのが一番であるが、
スタート時の加速、坂を登るために、グリップ力の強いタイヤを使いたかったので、1の方法は除いた。
次に、インリフト、アウトリフトさせるセッティングは、マシンを安定させることが難しく、初心者の私にはコースアウトさせないようにすることが難しいと判断し除外した。
せっかくなので、72mmのシャフトを使用して、めいっぱいトレッド幅を拡げ、安定感を得ようとした。トレッド幅拡幅による回転差の増大を気にしなくて良いのだ。
こうして、ワンウェイホイールと普通のホイールで、カーブを手押ししてマシンを走らせてみると、確かにワンウェイホイールのほうが抵抗が少ないと感じた。
しかし想像したよりも抵抗を感じた。
想像では片輪走行と同じであるはずなので、もっと抵抗は少ないはずである。
ワンウェイホイールのギアの抵抗であるのかと思い、ホイールを空回ししたところ、シャーという音とともにスムーズに回る。ギアの抵抗では無さそうであった。
そこで、一つの原因を考えた。
タイヤ自身の幅によって生じるタイヤの内側と外側の回転差の影響が原因なのではと考えた。その時はハーフタイヤではなく、ノーマルタイヤをそのまま装着していた。
ワンウェイホイールにオフセットトレッドタイヤを履かせてみて、カーブを手押ししてマシンを走らせてみた。オフセットトレッドタイヤであれば、接地する幅はかなり狭い。
すると、やはり抵抗が減ったように確かな手ごたえを感じた。
タイヤの接地面の幅は細いほうが、タイヤ自身の内側と外側の回転差の影響が小さくなるため、カーブでの抵抗が低減するようだ。
フラットマシンで幅が細いのは、そういった目的なのでしょうか?
ハーフタイヤのメリットには、軽くなる他に、回転差の低減といったメリットがあるようだ。
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