真円度とは円形形体の幾何学的に正しい円からの狂いの大きさである。
言い換えると、正円にいかに近いかの度合いである。
タイヤを削る改造を手がけるようになると、真円度という言葉を見聞きするだろう。
今回はミニ四駆における真円度がいかに重要であるのか、これをテーマに記事を書こう。
タミヤのタイヤはそのままの状態で十分に真円度が高く、ほとんど真円と言える。さすがである。
ただ、バリ(材料を加工する際に発生する突起、とりわけ材料を流し込むランナーに繋がっている部分)については真円を崩す大きな要因となっているので、ポン付けの方でも削っておくべきかと思う。
要点を守って組み上げたポン付け初心者マシンのほうがヘタにタイヤを削って改造するよりも精度が勝っている。やはり製品の精度の高さは素晴らしいものがある。
その製品の高さにいかに近づけて改造できるか、ましてや超えることができるかが、玄人の腕の魅せどころなのだろう。
タイヤの真円度については特に上級者が力を入れているところである。
タイヤのどの位置で計っても0.01ミリ単位で誤差が無いことを目指されている。
これは、ミニ四駆というものが走ることで勝負するものであるから、走るために最も重要な足について気にかけることは当然の流れであろう。
心臓であるモーター、心臓を動かすための電池、そして速度を出すための脚となるタイヤ。
タイヤはそれほど重要なパーツであるのだ。
ここで、自動車を例にミニ四駆のタイヤを考えてみようと思う。
ミニ四駆のタイヤの径は22mm~35mmとタミヤのレギュレーションで決められている。(ミニ四駆公認競技会規則 〔2019年特別ルール〕より)
これを実車で換算しよう。
ミニ四駆の縮尺は一部を除き1/32のスケールとのことなので、実車換算するとタイヤの径は70.4cm~112cmとなる。
タイヤを削る改造をする際に、タイヤが歪んでおり、最大径と最小径に0.01mmの差があるとしよう。
32倍すると0.32mmの差となる。私の感覚では実車での0.32mmとはほぼ誤差の範囲であろう。
最大径と最小径の差が0.03mmでは0.96mmでほぼ1mm。これも誤差の範囲に思う。
最大径と最小径の差が0.1mmではどうであろう。実車換算すると3.2mm.。1回転するたびに3.2mmのアップダウン。実車ではほぼ気にならない誤差のように思う。
0.3mmでは?実車換算で0.96cm。約1cm。ここまでくると影響があるように思う。
最大径と最小径の差が1mmでは、実車換算すると3.2cm。さすがに論外かと思う。
例えるならば、正円のタイヤが1回転するたびに3.2cmの段差を毎回踏んでいるようなものだ。
平らなコースであるのに、でこぼこ道を走っているのと変わらない状況となると言えよう。
実車のようにタイヤは柔らかくはない。とりわけ昨今の立体コースではジャンプを低くするために硬いタイヤを使用する流れであるので、タイヤの歪みはより顕著に地面へのエネルギー伝達のロスに繋がることであろう。
高速になるほど、その影響は大きくなると思う。
上級者ほど、タイヤの最大径と最小径の差を小さく、真円度をなるべく小さく(正円に近く)しようと精度を上げているのは事実である。
我ら初心者・中級者も見習うべきところであり、道具が揃っていないのであれば、時間をかけるしかないところだ。
真円が出るまで繊細に作業を進めることが重要だ。
改めて計算してみると、いかにミニ四駆における1mmの差が大きな差であることか。
お金がかかるが私もタイヤを削るにあたって、0.01mm単位で計ることのできるデジタルノギスを購入した次第である。
上のものとまったく形状が同じに見える金属製のデジタルノギスを購入したが、今のところまったく問題無く使用できている。
あまりに類似品が多く、また、まったく知らないブランドのものが多く、どれを購入しようか迷ったものだ。
私が購入したのは以下であるが、今はアマゾンでは品切れ中であった(2019/8/22)
Enhong デジタルノギス 0-100mm 0-150mm 0-200mm 0-300mm 内径/外径/深さ/段差 高精度 測定工具 電池付 (ステンレス製 精度0.01mm 150mm)
日本メーカー(シンワ測定など)のものを選べば、より失敗しない選択かもしれない。
ミニ四駆に対し、勝負で勝つことを求めている方は、僅かな妥協が命運を分けることを肝に銘じてほしい。
私もスタンスは楽しみたいがベースであるが、勝負に勝ちたいタイプであるので肝に銘じたいと思う。
お読みいただいて本当に嬉しく思います。
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